インプレッションの続きを書きます。



エンジン音は小排気量なので小さめ。もっとも、音もエネルギーの1つなので、低燃費化を進めると音も必然的に小さくなってゆくのだと思う。タイヤが発するロードノイズもよく遮断されていて静かだが、アルミを多用した軽量ボディのためか、特定の路面状態で軽量なボディ全体から僅かではあるが「コー」というような共振音がすることがあった。普段とても静かなので、何か音がすると目立ってしまう。



(写真は試乗車)

ドアオープン時に2段あった「段付き」は1段(しかも弱め)になり、ドアの開閉は子供でも容易になったが、重いことでウッカリ全開しない効果もあったので改善か改悪かは判断が難しいところ。開き切りのストッパーの部品は国産車同様の樹脂製になったが、一方でヒンジを保持する部品は鋳造ブロックを維持している。



(写真は試乗車)

トランクのヒンジも前車は凝った構造だったが、今回はシンプルな鋳造ブロックのヒンジである。


トノカバー(ラゲッジボード)裏側の荷物ネットがなくなってしまった。トノカバー自体かなり軽量化されていて薄くなっているので、納車前は市販のネットでも付けようと考えていたが何か裏側にネジで取り付けられるような感じがしない。同じくトノカバー裏側にあった荷物フックは、左右壁面に移動した。



前車ではラゲッジルーム照明は左側に1つしかなくDIYのネタにされていたが、今回は左右両方に1つずつあり、とても明るい。この照明のための出っ張りは僅かに可動するようになっており、床板を持ち上げた際に保持する役目も果たす。




ボンネットはアルミ製になり、大幅に軽量化した。そのためボンネットを支えるガスダンパーが従来の2本から1本に減らされている。一方、軽くなったボンネットをしっかり保持するためか、ロックのアンカーは従来の中央1箇所から中央と左右の計3箇所に増やされている。閉める際に上から押さえつけるのはご法度で、少し高い位置から自然落下させるのが正しい方法である。しかし私が購入した車体では、そのようにボンネットを閉めても一番左側(助手席側)のアンカーがロックしにくくなるという現象が見られた。これについては1ヶ月点検時にアンカーの位置を調整することで対処してもらった。

ワイパーはやや細身になって、ドイツ車らしい無骨さが薄くなった。特にリアのワイパーは、自動洗車機で気を遣う必要があるかもしれない。




インナーミラー(バックミラー)はMY2016から狭額縁タイプの角型のものになった。MY2015までの丸型にAudiらしい合理性が感じられなかったので、これは嬉しい変更。一方ドアミラーはややスタイル優先であり、外側に行くほど上下が細くなる。現代の車らしく方向指示灯はドアミラーに内蔵され、導光管によって室内からも点灯が確認できるが、どういうメリットがあるのかは分からない。夜間の車線変更時など、眩しくてかえって見にくいケースもあるような気がする。

意外なことに前車と比べてリアのドアが僅かに大きくなっているにも関わらず、ガラス窓が全開しなくなってしまった。僅かばかりのデザイン変更のせいか、側面衝突基準のせいか、内側にドアポケットを設けた影響なのかは不明だが、残念な部分。そういえば社会人になって初めて買ったホンダEG8 シビックフェリオも、リア席の窓が全開しなかったような気がする。リア席とテールゲートはプライバシーガラス(メーカーオプション)になっているが、自分としては不要だったが付いていた方が値引き面で有利とのことで装備。どうしても輸入車は「予め想定されたOPの組み合わせでオーダーされた車両の中から選ぶと安い」という傾向があるので仕方がないところ。角が取れた乗り心地とプライバシーガラスのお陰で、後席は睡眠誘引席となっている。ただ、レヴォーグやアウトバックのように後席リクライニング機構はない。




アルミホイールは1.4TFSI用のメーカー純正のものがどうしても好きになれず、また、メーカーOPのものもほとんど輸入がなく価格面で不利とのことで、ディーラーOPの中から5スポークタイプを選択。昔から5本スポークのアルミに憧れていたが、5台目にしてようやく装着。実はこれはウインター用で、ドイツ本国のカタログによると「210km/h以下で使用のこと」という制限が付いているのだが、どうも調べてみると1.4TFSIは最高速度の実力値は197km/hのようなので問題ないと判断した。幅も純正の6.5Jから6Jになったが、どちらの幅でも215/55R16は入るとのことなので、生産時装着タイヤを外してつけてもらった。おそらくこのホイールを夏も履いているA3はほとんど走っていないと思う。




テールパイプフィニッシャーは本来ベースグレードの1.4TFSIには装着されていない筈だが、なぜか付いていた。変更になったのか、何かのオプションと一緒に付いて来るのかは不明。




LEDライトパッケージを選択したので、ありとあらゆるところ(室内側ドアノブなども)がLEDで光る上に、カップホルダーなど要所要所は「点灯開始時にフワッと光る」というギミックつき。ヘッドライトの方向指示灯もLEDらしくキレのある光りかたで、とても明るくかなり遠くまで光が届く。方向指示灯は車幅灯と同じところが光るのだが、方向指示灯から車幅灯に戻る際もフワッと点灯するなど芸が細かい。固定式のコーナリングライト(オールウエザーライトと兼用)もステアリング操作やウインカーレバー操作に連動して点灯するが、消えるときはこれもフワッとフェードアウトする。

一方で、LEDヘッドライトは配光の均一性が前の車のキセノンのプロジェクタータイプと比較して劣っているように感じた。照射範囲の上端もギザギザだし、車体数メートル~数十メートルの照射範囲にもところどころ明るさにムラがある。まだまだ発展途上だと感じた。

室内灯もすべて真っ白なLED光だが、個人的には室内灯は色温度低めの電球色の方が好み。LEDらしさをアピールするために白色になっているのだろうか。

続きます。