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Cameras & Cars


2016年06月

Audi A3 Sportback 1.4 TFSI (MY2016)のインプレッションを書きます。比較対象の前車はA3 Sportback 2.0 FSIの、MY2006モデル。



同じ車名の後継車への乗換えなので、運転した感覚はまったく違和感なし。「バージョンアップされた新しい車」に乗っているという感覚が強い。ボディもほんの僅かしか大きくなっていないのだが、サイドウインドウをぐるっと一周するメッキモールが追加されたせいか、一瞬「あれ?A4アバントかな?」と錯覚することもある。

乗り換えの違和感はないのだが、乗り心地は感動的なほど改善した。前の車の足回りがだいぶヘタっていたこともあるのだろうし、ドイツ車の乗り心地に対するトレンドが変わってきたというのもあると思う。とにかく路面の細かい凹凸をよく吸収し、それでいて路面からのインフォメーションは失われていない。前の車もブッシュ類を一式交換したらもしやリフレッシュしたかも…と脳裏によぎったが、ブッシュ交換は部品代よりも工賃が大変なことになるし、もう売却してしまったので後の祭りだ。

ステアリングも官能的なほど滑らかで曲がるのが楽しいし、一方で高速でのスタビリティも充分。今回の買い替えに当たっては電子デバイスが充実している車にするかどうかだいぶ悩んだが、最先端の電子デバイスが載っていることを諦めて、「車本来の、運転していて楽しい車」という価値基準を優先したが、正解だった。運転していて「いいなぁこれ」と思わず頬が緩んでしまう。

しかし一方でネガもある。走り出してしまえば前述の通り官能的なのだが、走り出す瞬間がナーバスである。原因は3つ、小排気量ターボと、DSG(7速のSトロニック)、そしてアイドリングストップ機構にある。

まず1.4リットルという小排気量のターボエンジン。街乗りでは少し前の2リットルNAより力強さを感じさせるこのエンジンだが、いかんせんターボなので、過給がかかる1,500rpm前後とそれ以下のトルクの段つきが大きい。1,500rpmあたりを境にモリモリと驚くような力を発揮するのだが、裏を返せばそれ以下の回転数では1.4リットルなりで、ストップ&ゴーを繰り返すような場合にはこの1,500rpm前後の段つきがちょっと鬱陶しい。

次にDSG。かなり複雑なメカニズムをよくここまで調教したと感心はするのだが、ではトルコン式ATやCVTほど出だしが滑らかになったのかと言われれば、そこまでではない。廉価版の乾式クラッチDSGということもあるだろうが、メーカーもロックアップ領域を拡大したトルコン式ATに回帰するのではないかという噂もあり、このあたりが乾式クラッチのDSGの限界なのだろうか。ともかく、トルコン式ATと違ってクラッチが繋がる感触だけは明確に残っている。

最後にアイドリングストップ。欧州では義務化されているという話も聞き、日本向けモデルでもデフォルトはONである。恒久的に切るにはコーディングするか、電気的に改造するしかない。しかし信号待ちで訪れる静寂はハイブリッドカーや電気自動車に乗っているような気分でもあり、悪くない。問題は再始動に伴う振動だ。

そんなわけで、アイドリングストップ状態での信号待ちからスタートしようとすると、この車には3度のショックが発生する。まずはアイドリングストップからの復帰、次にDSGのクラッチが繋がるショック、最後に1,500rpmを越える瞬間のトルク盛り上がりに伴うショックである。

これを避けてパッセンジャーを不快な気持ちにさせないためには、赤信号で停まっていても常に信号に注意を払い、青になりそうな少し前にブレーキを少しだけ緩めてエンジンを再始動し、次に前の車の動きを確認しつつブレーキを開放してDSGのクラッチが繋がるのを待ち、そして車が動き出したらトルクの盛り上がりに留意しながら丁寧にアクセルを踏むことである。いやぁ面倒くさい。環境にやさしい低燃費な車というのは分かるけれど、ここまでスタートがギクシャクするものなのかと。

そんな感じで右足的にはとても疲れる仕様になってしまったのだが、これも時代なのだろうか。その疲れた右足を癒すための「レーダークルーズコントロール」である、というのはひねくれたものの見方だろうか。




なかなか自分では見ることのない、ヘッドライトウォッシャーノズルの動作を今回も撮影。




ちなみに前の型のは、こうでした:



新型の方が満遍なく噴射しているように見えます。ヘッドライトがLED化して雪が付着しても溶けにくくなったと言われているので、ウォッシャーの重要性は増しているかも知れません。

なおヘッドライトウォッシャーの動作条件は、「ヘッドライト点灯時」かつ「ウインドウウォッシャー動作時」です。

ちなみに公道でウインドウウォッシャーを使うと、勢いが良くて意外と後ろのクルマにかかってしまうことがあります(走行時だと確実にかかります)。最近では後ろに誰もいないことを確認してから噴射するようになりました。

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